えび天の達人
こんにちはうどん屋です。
どんどんの一番人気メニューは肉うどんですが、一番のシンボル的なメニューは「肉天うどん」ではないかと思います。
私が始めて肉天うどんを食べたのは16年前の事です。場所はどんどん土原(ひじわら)店でした。どんどん特有の甘めのだし、もっちりとした食感の麺、甘辛く炊かれた牛肉、そこに衣たっぷりの立派なエビ天がどどーんと添えられており、見た目も味もインパクト抜群でした。ひと口目からどんどんのファンになってしまいました。
その肉天うどんの一番の特徴はやっぱり木の葉型の立派なエビ天でしょう。
あまり知られていませんが、このエビ天は実は毎日お店で一匹づつ手作業で揚げているのです。
この技術を獲得するのがなかなか大変で、不器用な私は(恥ずかしいのでスタッフには内緒にしてましたが)完全に習得するまで1年はかかりました。
さて、萩の土原店にパートのYさんというエビ天の達人がいます。正確に数えてはいませんが、おそらく彼女が在職中にお店で揚げたエビ天の数は70万匹以上でしょう。(100万匹以上という説もあり。)
スピードと品質の両方の技術を兼ね備えており、彼女が揚げたエビ天は揚げたてを食べると、サックサクでお菓子を食べているかのような食感なのです。
Yさんに関する逸話があります。
あるテレビ番組の取材で、ニューヨークのミシュランガイド三つ星シェフがどんどん土原店を訪れた時の事です。
肉天うどんの味に感動したシェフが厨房を見たいと言われたので案内しました。
そこでYさんがリズミカルに天ぷらを揚げている光景を見て、いたく感銘を受けたのです。(自分にも揚げさせて欲しいと言われてトライしておられました。)
そして、その後放送された番組では、どんどんのエビ天にインスピレーションを受けた料理を披露してくれました!番組を見ていた私たちもびっくりです。
そんなYさんですが、最初から上手に天ぷらを揚げられた訳ではないそうです。入社当時は、なかなか天ぷらを揚げる技術が上達しないので、自宅の天ぷら鍋で練習していたとのこと。そんな努力の積み重ねが三つ星シェフをもうならせたのでしょう(^^)。
もちろんYさんだけではありません。残念ながら今日は紹介出来ませんが、どんどんの各店に達人はいるのです。
ぜひ、達人の味をお近くのどんどんでご賞味ください。